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薬草辞典

たんぽぽの根

学  名:
Taraxacum officinale
名  称:
西洋たんぽぽ/ダンディライオン・ルート
使用部位:
科  名:
キク科 (※キク科アレルギーがある方は、ご注意下さい。)

春の訪れを教えてくれるたんぽぽ。誰でも一度は手にしたことのある花で、身近で古くから親しまれてきた植物のひとつです。日本だけでなくヨーロッパやインドのアーユルヴェーダ、北米のネイティブアメリカン等、世界各地の民間・伝統療法としても古くから用いられてきた歴史があります。日本では、漢方薬(浦公英)として、健胃・利胆(胆汁の分泌を促す)・便秘・催乳を目的に使用されています。また、葉や根を切ると白い汁が出ることから、別名「乳草」とも呼ばれ、特に多くの産後のお母さん達から信頼をもって飲まれているハーブです。

黒豆

学  名:
Glycine max
名  称:
黒豆/黒大豆
使用部位:
種子
科  名:
マメ科

黒豆は、大豆の一種で長い間アジアの食文化を支えてきました。日本でもお馴染みの豆腐や納豆、味噌等、滋養・栄養の高い食品として親しまれています。また、近年では大豆には様々な機能性があることが再評価され、中でも女性のエストロゲンと同じ働きをするイソフラボンが、女性のホルモンバランスを改善すると言われています。黒豆は、それに加え黒い色素の元となるアントシアニンであるポリフェノールを含みます。こうした栄養成分を効果的に取る為に、昔から黒豆の煎じ汁に黒砂糖を少し入れて1日3回飲むこともある様です。

あまちゃづる

学  名:
Gynostemma pentaphyllum
名  称:
甘茶蔓
使用部位:
茎と葉
科  名:
ツル科

甘茶とつくその名の通り、葉を噛むと甘みがあります。日本では北海道から沖縄まで自生する植物です。この植物は、ストレス環境でダメージを受けた体や心の調子を整える成分が含まれており、それは朝鮮人参に含まれている「サポニン」と言われているものと同じです。中国では長寿のための民間療法として朝鮮人参同様に活用されてきました。特に、免疫調整に優れているとされ、日本でも、葉を天日干しし、お茶として古くから親しまれてきました。ほんのりと甘い味が特徴です。

生姜

学  名:
Zingiber officinale
名  称:
生姜
使用部位:
根茎
科  名:
ショウガ科

日本でもその歴史は古く、料理だけでなく風邪や熱、胃腸が悪い時や冷え症等、様々な用途に活用されてきました。今でも、生活の知恵として、生姜湯や食中毒予防に使用されています。生姜の辛味成分のジンゲロールは、生しょうがに含まれており、冷え症改善や殺菌作用があります。熱を加えるとショウガオールへと変化し、冷え症の他に、胃腸の働きも活発にしてくれます。女性特有の冷え症や妊娠時の悪阻にも良いとされ、女性ホルモンによるマイナートラブルを緩和してくれる、とても頼もしいハーブの一つです。

桑の葉

学  名:
Morus alba
名  称:
クワ
使用部位:
葉部
科  名:
クワ科

桑の葉は、日本において古くは、「日本書紀」に桑の栽植を命じたとの記載もあります。蚕の餌ともなる桑は、私達の生活と健康を太古の昔から支えてくれた植物とも言えます。現在、特に、その健康効果が非常に注目されています。まず、桑の葉に含まれているデオキシノジリマイシン(DNJ)という成分が、糖の吸収を阻害し、急激な血糖値の上昇を抑えてくれる効果が認められています。また、ギャバ(GABA)を含み精神の安定を促してくれます。お茶としては珍しく、鉄や亜鉛等のミネラルの摂取も期待できます。利尿作用にも優れ、妊婦さんは積極的に取りたいハーブです。

ほうじ茶

学  名:
Camellia sinensis
名  称:
使用部位:
葉部
科  名:
ツバキ科

日本人であれば、お茶を飲むとほっとするという感覚を持っている人は沢山いると思います。もともとお茶は、栄西が中国の宋から帰国し、その著書にも寿命を延ばすものであるとの記す程のものでした。ほうじ茶は、緑茶を焙煎して作ったもので、煎った為、緑茶に多く含まれるとされるタンニン・カテキン・カフェインが少ないとされています。特に、カフェインが少ない事ことから、お年寄りから子供・病人・妊婦さん・産後のママまで安心して飲む事が出来るお茶です。また、産後飲むとお乳の出が良くなるとも言われているそうです。

学  名:
Diospyros kaki
名  称:
カキ
使用部位:
葉部
科  名:
カキノキ科

日本の秋の味覚といえば、柿と言われるくらい日本人には親しみ深い果実です。柿の実は、果物として親しまれていますが、食べるだけでなく、その幹は柿渋として防腐剤となったり、葉はお茶として民間療法として使用され、殺菌作用も持ち合わせていることから、食べ物を包むために使われたり、乾燥させた蔕も生薬として用いられてきました。柿の葉茶は、すっきりした味わいで飲みやすく、体を温めたり、高血圧予防になる為、生活習慣病予防はもちろん、子供を希望する女性や妊婦さんにもうってつけのハーブです。

浜茶

学  名:
Chamaecrista nomame
名  称:
カワラケツメイ/弘法茶/マメ茶/浜茶
使用部位:
全草
科  名:
マメ科

浜茶は、その昔、弘法大師が自分の健康維持の為に飲み、健康茶として全国に広めたとされ、別名「弘法茶」とも言われています。その味は、香ばしく飲みやすい為、今でも多くの人に愛飲されています。中でも、便秘解消に良いとされる、センナやアロエ同様の成分であるアントラキノンを含有します(これは、下剤成分とされるものなので、妊娠中や授乳中は多量摂取に注意が必要です)。体に合った適量を飲用する事で、デトックスができる為、特に妊娠を希望される女性にはおすすめのハーブの一つです。

はぶ茶

学  名:
Cassia obtusifolia
名  称:
えびすぐさ/ケツメイシ/はぶ草
使用部位:
種子
科  名:
マメ科

別名をケツメイシ(決明子)とも言われ、目を保護するハーブとして有名です。パソコンやスマートフォン等、現代は目を何かと酷使する環境にあります。東洋医学では、目は肝臓と繋がっており、目が疲れると肝臓が疲れるとも言われています。また、血の貯蔵や血の巡りを調整すると言われていることから、その昔は、産後の女性を暗い部屋で休息させたとの説もあるくらいです。肝臓を労わり、血の流れをスムーズにしてくれるはぶ茶は、妊娠を希望する女性にも良いハーブとされます。ストレスやお酒による肝臓のダメージを予防する目的でもパートナーと一緒に楽しめるハーブかもしれません。

どくだみ

学  名:
Houttuynia cordata
名  称:
どくだみ/十薬
使用部位:
地上部
科  名:
ドクダミ科

5月から6月にかけて、日本中のいたるところで目にすることのできる植物です。どくだみは、その白い可愛らしい花には似合わず、つぶしたり、踏んだりすると独特の香りを放ちます。別名「十薬」とも言われ、その薬効は生薬として日本薬局方にも記載されています。現在では、健康茶として愛飲されています。特に、利尿や便秘等にも良いとされることから、デトックス目的で飲用されることが多いのが特徴です。また、どくだみ化粧水の素として使用されることもあり、ニキビ等の抗菌にも優れていることは有名です。

霊芝

学  名:
Ganoderma lucidum
名  称:
霊芝/ガノデルマ
使用部位:
科  名:
マンネンタケ科

日本では、主に生薬として用いられています。特に、中医学の世界では長い歴史を持ち、その特性として毒性がなく長く服用することができて、延命長寿の効果があるとされてきました。特に、体の調整機能に優れ、ストレスを受けた心や体のバランスを調整し、免疫向上に役立つと言われています。何かとストレスフルな環境の多い現代において、日常生活を健やかに過ごす為のサポート役としてうってつけなハーブと言えそうです。仕事や家事でストレスに追われている女性や、妊娠を希望していてストレスを少しでも緩和したいと考えている女性のサポートとなってくれるハーブです。

とうもろこし

学  名:
Zea mays
名  称:
モロコシ/トウキビ/南蛮/ナンバン
使用部位:
雌しべの花柱
科  名:
イネ科

とうもろこしと農耕文化の歴史は古く、今でも世界各地で栽培され、多くの国で主食として食されています。日本では、明治時代から本格的な栽培が始まり、今では食品としてだけではなく、様々に利用されています。中でも、韓国ではむくみ対策として、とうもろこしの髭の部分をお茶として飲用することは有名です。お馴染みの粒(実)の部分だけでなく、髭や根といった部分にも健康に良いとされる成分が含まれると言われています。日本でも、実を軽く焙煎してお茶として飲用します。やさしい味の風味のお茶で、妊婦さんも安心して飲めるお茶なので、むくみ対策として人気があります。

大麦

学  名:
Hordeum vulgare
名  称:
大麦
使用部位:
科  名:
イネ科

世界最古の穀物の一つと言われ、日本では朝鮮半島を渡って伝えられ、奈良時代には栽培が開始されていたとされます。平安時代には、お米と混ぜて、食されていました。今は、ビールやお味噌、押し麦など、様々な身近な食品として使用されています。中でも、麦茶はミネラルを多く含み、夏場にはぴったりの健康飲料として、子供からお年寄りまで、多くの年代の方々から人気があります。安全で自然な栄養補給の飲料として、妊婦さんや産後のママから支持されています。

杜仲の葉

学  名:
Eucommia ulmoides
名  称:
杜仲
使用部位:
葉部
科  名:
トチュウ科

杜仲は中国原産で、杜仲の木の皮は、漢方薬としても使用されています。特に、習慣性流産や流産予防としても活用されている様です。日本では、お茶として杜仲の葉を使用する場合が多く、中でも広島の因島での栽培が有名です。お茶は、利尿効果や高血圧予防、コレステロールの吸収を抑えると言われていることから、健康茶として愛飲されています。また、便秘対策としても良いと言われる為、妊娠中の女性には、妊娠高血圧症と便秘解消の面からおすすめのハーブと言えそうです。

陳皮(蜜柑)

学  名:
Citrus unshiu
名  称:
蜜柑/ミカン/温州みかん/陳皮
使用部位:
果皮
科  名:
ミカン科

蜜柑は、中国から渡来し、日本で品種改良されました。「温州」と名前がついているのは、中国の温州地方から名前がついたとか、他にも諸説言われています。いずれにしろ、日本中で栽培されており、代表的な冬の味覚とも言えます。日本では、実を食した後に、その皮を干したものを入浴時に活用することもあります。蜜柑は、ビタミンCが豊富で、体を温めると言われ血行を良くするなどに使われてきました。何よりその芳香の良さはリラックスを促します。生薬としても、健胃作用や鎮咳・去痰作用があるなどとされ、特に、体や心に負担がかかりがちな妊婦さんにリラックスを促し、風邪の予防などにおすすめです。

隈笹

学  名:
Sasa veitchii
名  称:
クマザサ
使用部位:
葉部
科  名:
イネ科

隈笹は、日蔭でもたくましく育つことから、日本の山にはとても多くみられる植物の一つです。日本では、昔から身近な植物で、料理の飾りなどに使われ、古くから民間薬や、葉を煎じて健康茶としても使われてきました。また、栄養成分や繊維質を多く含むことから、現在では効率よく摂取する為に、青汁として大麦若葉と一緒に摂取することもあります。その豊富な栄養素は、ビタミンやミネラルを多く含み、造血に役立つクロロフィルを含むことから、貧血気味の女性や産後で血液を必要とする女性に有用なハーブです。

枇杷

学  名:
Eriobotrya japonica
名  称:
ビワ
使用部位:
葉部
科  名:
バラ科

初夏になると、枇杷の実がなりはじめます。中国原産ですが、日本では古くから入ってきて、庭木として植える家庭も多くあります。日本では、初夏の旬の果物としてよく食されています。また、枇杷の葉も、古くから民間療法としても使用されてきました。葉に含まれるアミグダリンという成分が痛みや腫れに良いと言われ、枇杷の葉にお灸をのせて行う枇杷温灸は、今でも人気があります。また、葉を煎じ汁やお茶にして飲用することで、夏バテによる疲労や胃腸の不調を緩和するとも言われています。

なた豆

学  名:
Canavalia gladiata
名  称:
ナタマメ/帯刀(タテハキ)
使用部位:
実(まめ部分)
科  名:
マメ科

別名を「帯刀」とも言われる様に、刀の様に長いマメ科の植物です。日本では、カレーの付合せとして有名な福神漬けの中に含まれていることもあります。最近では、歯磨き粉が人気となるなど、なた豆の性質を生かして生活用品にも利用されています。なた豆には、アミノ酸や酵素、鉄分などといった豊富な栄養が含まれています。また、蓄膿症といった鼻の不快な症状や喉の不快感の緩和、口臭、歯周病、花粉症などのアレルギー症状にも良いと言われています。産後の栄養補給やアレルギー症状がつらい時に役に立つハーブです。